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上顎前突(出っ歯)

上の歯が角に前方に出ている状態をいいます。上顎の位置、上前歯の位置や傾きの異常、下顎の位置の異常などの状態によって治療法、期間が変わってきます。上顎の成長を抑制したり、悪習癖の改善が有効なことが多いです。早期に原因の発見、除去、改善に努めたい不正咬合です。

出っ歯(上顎前突)の臨床上の分類

一言で出っ歯といってもいろいろなケースがあります。小児期に治療介入することで良好な経過をとるケースもあれば、成人してから抜歯を伴う再治療が必要になるケースもあります。レントゲン写真を用いた骨格分析で予後を予測し早期治療介入が有効なケースであれば、出来るだけ早めに治療を行なった方が、その後の成長への悪影響は最小限に抑えられます。

一方、予後が悪いことが予想された場合は、今後どのように治療を進めるべきか、進めたいか、治療開始までにできること、などのお話し合いを丁寧に行い後悔のない、治療開始時期の選択ができるように努めております。

治療が有効である可能性を無駄にしないためにも、気になった時点でなるべく早めにご相談ください。

1)上顎骨そのものが前方に出ているケース

上顎骨そのものが前方に位置している場合、成長の途中であれば成長を抑制する顎外の装置を使用したり(夜間のみ)、側方拡大を行い前方への突出を抑えたり、下顎の劣成長の防止等を行い、出っ歯が重症化しないように努めます。

しかし、重度の骨格性の上顎前突では小児期から治療を行なったにも関わらず、成人してから審美的要件が満たされず、外科的矯正治療や、対症療法として抜歯を行い相対的に出っ歯を改善する治療になることもあります。経過をみながら、治療の長期化を避けるため永久歯列期までは治療介入を控えることも含めて、慎重に治療を進める必要があるケースです。

2)上の前歯数本だけが前方に出てしまっているケース

単純に永久歯の生える位置が前方になってしまったケース、指しゃぶり、鉛筆噛み、タオル噛みなどの習癖が原因となっているケース、顎の横幅が狭くて前に押し出されてしまったケース、などが考えられます。習癖があれば、習癖の除去を行い、顎の横幅が狭ければ拡大をしてから歯列に収まるように歯を移動させます。

骨格的な問題がなければ比較的予後は良好ですが習癖の残存があると再発しやすいので注意が必要です。

3)上の前歯が前方に過度に傾いているケース

口呼吸による口唇閉鎖、指しゃぶりなどの習癖、かみ合わせが低く下の前歯に突き上げられ上の前歯が傾いているなどの原因が考えられます。歯の傾きの問題だけなのか、骨格的な問題によるものなのかによって、治療方法が異なりますが、骨格的な問題を併発していることも多いです。

年齢によって対応が異なりますが、習癖の除去に努めること、骨格の問題に起因いている場合は成長を利用して上下顎の前後、高さの位置を整える治療を行ってから歯の傾きを改善していきます。

4)上の前歯が過度に内側に傾いているケース

上顎骨そのものが下顎より前方に出ていて、上顎の前歯が下顎の歯列をすっぽり覆っていて下の前歯が見えないようなかみ合わせです。過蓋咬合とも言います。

上顎に下顎が覆いかぶさってしまっているので、下の歯が上顎の歯肉に噛み込んでいたり、下顎の前方への成長を抑制してしまったりしている場合があります。

かみ合わせの高さが低く、お口の中の容積が小さくなっているため、舌の動きが制約されて機能的な問題(食べるのが遅い、言葉がはっきりしない、いびきがひどいんど)を抱えている場合もあります。

5)下顎が後ろに下がってしまっているケース

先天的に下顎が小さいケース、上顎の横幅が小さくて下顎が後方位をとっているケース、上の前歯が過度に内側に傾斜しているため下顎が後方位をとっているケース、下顎を後方へ圧迫する様な習癖、下顎を後ろに下げる筋肉が強い習癖によって下顎が後方位をとっているケースなど、先天的、後天的要因があります。

下顎の成長が思春期成長の頃に期待できるので、それまでに原因の除去に努めつつ、下顎の前方への誘導が適応症であれば小児期からの矯正治療のメリットを最大限に活かせるケースです。

6)1)〜5)がいくつか組み合わさったケース治療も臨床では多々

あります。何れにしても、早期に治療すれば治療効果が得られるようなケースの治療介入のタイミングを逸しないためにも早めの受診をお勧めします。

出っ歯(上顎前突)の症例

治療例1 過蓋咬合

初診時8歳6ヶ月
第1期治療(3年)+MFT 第2期治療待機中 13歳現在

治療例2 上前歯の過度な唇側傾斜を伴う上顎前突

初診時9歳8ヶ月
第1期治療(2年)+MFT 経過観察中 12歳6ヶ月現在

治療例3 過蓋咬合

初診時10歳9ヶ月
第1期治療(2年半)+MFT 経過観察中 16歳6ヶ月現在

治療例4 叢生を伴う上顎前突

初診時10歳9ヶ月
第1期(約2年)+MFT 第2期治療(1年) 15歳4ヶ月現在

お子様の歯並びが気になったら、いつでもお気軽にご連絡下さい。


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