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小児期からの治療の限界

小児期に矯正治療を始めて得られるメリットは大きいのですが、遺伝的要因、治療開始のタイミング、改善できない口腔習癖などの残存により治療が長期化、難治化することもあります。

小児期からの矯正の限界

成長発育を利用できる小児期から始める矯正治療は抜歯や外科処置を回避できる可能性があるという点では、メリットは大きいです

子供のころから矯正治療をした場合、70%程度は歯を抜かずに済むという報告もあります。しかし、残りの30%は残念ながら抜歯や外科処置が必要になる場合もあるという事です。遺伝的な要因の大きい受け口や上顎の突出したケースでは成長の抑制は実際には難しいです。また、開咬も最も難しい矯正治療といわれており抜歯や外科処置の対象になることが少なくありません。

また、後天的要因によって歯列の横幅が狭くなっていて、そのために叢生を生じている場合、歯列の横幅の成長能が旺盛な時期に治療介入ができると、抜歯をせずに済みますが、治療介入の時期が成長のピークに間に合わなければ非抜歯での治療は難しくなります。

たとえ、成長発育が利用できる年齢であったとしても、取り外し式の装置の使用時間を守っていただけない場合、成長を阻害する要因である鼻呼吸障害、習癖などのコントロールができない場合は、十分な治療効果を得ることができないことがあります

ですから、先天的な要因の大きい場合、成長発育を利用できる年齢を過ぎてしまった場合、成長発育を利用できる条件が揃わなかった場合、小児期から矯正治療を始めても治療は長期化し、負担が大きくなる可能性があります

したがって、治療前の診断を慎重に行い、治療開始後も、治療の効果を適宜、客観的に評価し治療効果が十分でないときはその後の治療について再検討し小児期からの矯正治療の限界によるデメリットを最小限に抑えられるよう努めております。

 

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